Flaskでレスポンス情報を修正する方法
概要
Flaskでは、リクエストの処理はルーティング関数内で行います。
ルーティング関数の引数には、requestオブジェクトが渡されます。
このオブジェクトを使用して、リクエストに関連するデータの取得やレスポンスの生成などを行います。
ここでは、以下バージョンを使用した、Flaskでレスポンス情報を修正する方法を説明します。
Flask v2.1.0
Python v3.11.4
また、今回作成するコードは全て、GitHub に掲載しています。
レスポンス情報を編集する方法
レスポンスオブジェクトは、クライアントへのレスポンスを構築するために使用されます。 Flaskのルーティング関数内で利用され、レスポンスのヘッダー、ステータスコード、データなどを設定するために利用されます。
以下のサンプルコードは、Flaskでレスポンスオブジェクトを理解するための例です。GETリクエストを受け取り、異なる種類のレスポンスを生成して返します。
response.py
from flask import Flask, jsonify, make_response, redirect
app = Flask(__name__)
@app.route("/json")
def json_response():
# JSONレスポンスの生成
return jsonify({"message": "This is a JSON response"})
@app.route("/html")
def html_response():
# HTMLレスポンスの生成
response = make_response("<h1>This is an HTML response</h1>")
return response
@app.route("/custom-header")
def custom_header_response():
# レスポンスヘッダーの設定
response = make_response("This response has a custom header")
response.headers["Custom-Header"] = "Custom Value"
return response
@app.route("/status-code")
def status_code_response():
# ステータスコードの設定
response = make_response("Created", 201)
return response
@app.route("/redirect")
def redirect_response():
# リダイレクトの実行
return redirect("/json")
@app.route("/error")
def error_response():
# エラーレスポンスの生成
response = make_response(jsonify({"error": "An error occurred"}), 500)
return response
解説
- JSONレスポンスエンドポイント (
/json
)
@app.route("/json")
def json_response():
# JSONレスポンスの生成
return jsonify({"message": "This is a JSON response"})
このエンドポイントはJSON形式のレスポンスを返します。具体的には、{“message”: “This is a JSON response”}というJSONオブジェクトをレスポンスとして返します。
- HTMLレスポンスエンドポイント (
/html
)
@app.route("/html")
def html_response():
# HTMLレスポンスの生成
response = make_response("<h1>This is an HTML response</h1>")
return response
このエンドポイントはHTML形式のレスポンスを返します。具体的には、"
This is an HTML response
“というHTMLをレスポンスとして返します。- カスタムヘッダーレスポンスエンドポイント (
/custom-header
)
@app.route("/custom-header")
def custom_header_response():
# レスポンスヘッダーの設定
response = make_response("This response has a custom header")
response.headers["Custom-Header"] = "Custom Value"
return response
このエンドポイントはカスタムヘッダーを持つレスポンスを返します。具体的には、“Custom-Header"という名前のヘッダーを"Custom Value"という値でレスポンスに追加します。
- ステータスコードレスポンスエンドポイント (
/status-code
)
@app.route("/status-code")
def status_code_response():
# ステータスコードの設定
response = make_response("Created", 201)
return response
このエンドポイントは201(Created)という特定のステータスコードを持つレスポンスを返します。ステータスコード201は、リソースが正常に作成されたことを示します。
- リダイレクトレスポンスエンドポイント (
/redirect
)
@app.route("/redirect")
def redirect_response():
# リダイレクトの実行
return redirect(url_for('json_response'))
このエンドポイントは、アクセスすると”/json"エンドポイントへのリダイレクトを行います。
- エラーレスポンスエンドポイント (
/error
)
@app.route("/error")
def error_response():
# エラーレスポンスの生成
response = jsonify({"error": "An error occurred"})
response.status_code = 500
return response
このエンドポイントは、500(Internal Server Error)というステータスコードとエラーメッセージを持つレスポンスを返します。このエラーメッセージは、{“error”: “An error occurred”}というJSONオブジェクト形式で返されます。
これらのエンドポイントを通じて、Flaskがさまざまな種類のHTTPレスポンスをどのように処理するかを学ぶことができます。Flaskアプリケーションを起動するには、以下のコマンドを実行します:
export FLASK_APP=main.py
flask run
テスト
curl -X GET http://localhost:5000/json
curl -X GET http://localhost:5000/html
curl -X GET http://localhost:5000/custom-header
curl -X GET http://localhost:5000/status-code
curl -L -X GET http://localhost:5000/redirect ("-L"フラグを使用してリダイレクトを追跡)
curl -X GET http://localhost:5000/error
このコードでは、各ルート内でさまざまな種類のレスポンスを生成しています。
JSONレスポンス、HTMLレスポンス、カスタムヘッダー、ステータスコードなどの機能を示しています。Flaskの便利な機能を使用して、簡潔かつ柔軟なレスポンスの生成が可能です。
まとめ
レスポンスオブジェクトを使用することで、以下のことが可能になります。
- レスポンスヘッダーの設定や変更ができます。
- レスポンスのHTTPステータスコードを設定できます。
- レスポンスのボディデータを設定できます。JSONオブジェクト、文字列、バイナリデータなどの形式でデータを返すことができます。
レスポンスオブジェクトを使用することで、Flaskアプリケーション内でレスポンスの生成に関するさまざまな操作を行うことができます。レスポンスオブジェクトには多くのプロパティやメソッドがあり、高度なカスタマイズや制御が可能です。